スズキジムニーの内部の点検・修理などしていないのだから……。業者は中古車を販売するときは必ずその車の点検を行い、安全を確認したうえでユーザーに引き渡すもの、といった思いこみをいだいているお客さんがいたら、それは大きなまちがいである。中古車の大多数は、ろくに整備もされず。右から左へと売られていくと思ってまちがいない。話をジムニーに戻す。私はそのジムニーをなるべくお客さんに試乗させず、〇〇だけで販売したのである。
(参考情報)
中古車情報のGoo-net公式サイト
http://www.goo-net.com/index.html
それが会社の方針だった。試乗させれば当然バランスがくずれているのだから、走行中どちらかの側に逃路が片寄っていくことになる。アクセルを吹かせば、エンジンがキーンと泣き出すかもしれない。それほどに程度の悪い車だったのだ。しかし社員である以上は、そんな車でも売らなければならない。私は良心をポケットの奥にしまいこんで、この車を二十二、三歳の男性に売りつけたのである。表示価格を、五十万円に値引してやった。それでも仕入れ三万円、全面塗装(オールペイント)は業者価格で二万五〇〇〇円ぐらいが相場だから、計五万五〇〇〇円。一日で四四万五〇〇〇円もうかったことになるのである。読者もこんな話を聞けば『あくどい』と思うだろう。あくどいヨ、こんなの。私だって今だに良心がうずく。しかも整備してくれているならまだしも、無整備で、みかけだけよくしてある。〇〇で商売しているペテン商売となんら変わりはないのである。